2021年8月23日 いっぱい、いっぱい……
最後の抗がん剤点滴の朝、先生がベッドを訪れ、血液検査(腎機能)の結果「抗がん剤投与は可」を伝えてくれますが、こちらは「もう、いっぱい、いっぱいです……」と、ギブアップの言葉を絞り出すのがやっとでした。
この入院では、何度も想像を超える状況・場面に遭遇し、それを乗り越えてきた、と振り返ることができますが、この時は「現状に耐えられない」上に、「目の前の山を乗り越える姿を想像できない」と感じていました。この時のわたしが求めていたのは、(首が締め付けられる)呼吸の息苦しさからの解放であるため、この辛さが1週間以上延長され、息苦しさが強まる恐れのある「抗がん剤投与」の選択は、できるものではありませんでした。当時は「就寝中に息苦しさが強くなったら…」というイメージにビビるため、睡眠導入剤を飲んでも眠れませんでした。
化学放射線療法では、放射線照射 週5回(月〜金曜)計35回と、抗がん剤点滴 週1回(火曜)計7回を並行して行いますが、最後の抗がん剤点滴日(火曜)の体調が思わしくなく、第7クール最終日(翌月曜)に再チャレンジとなりますが、その日も体調が回復しないため、7回目の点滴は未完の状態で本治療は打ち切りとなります(冒頭の場面)。
説明できない副作用(吐き気)の出現までは目立った変調もなく、先生も「これほど順調な人はまれ」(検査結果を含め)と感心するように、体調も良好そうに見えましたが、しばらくして振り返ってみると、見た目にわからないだけで、ギリギリの体調を気持ちが支えていたのではないか、と思えてきます。「治療完了できず」の失意に加え、身体へのダメージもこれまで以上に大きかったようで、終了後1週間は、精神、肉体共にまるで立ち直る兆しが見られませんでした。当初は完遂できないことに弱さも感じたが、回復に時間がかかるようなダメージを受けるまで、治療に向き合った姿勢は評価すべきで、時間をかけていたわってあげるべきと。
この時の判断は、その後の経過・治療の命運を握っているため、何度も振り返ると思いますが、現時点では評価を変えることなく受け入れることができます。振り返っただけなのに、気分が悪くなるような、辛さ、重さを持ち合わせた決断を下すという、厳しい経験をしました。
右:病棟の廊下
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