2021年5月6日
連休明けの面談(診察)には妹も同席してもらいますが、異なる所見を引き出せそうな質問項目を持たないため、先生の説明内容は変わりません。今後の治療について、こちらから口を挟めるとすれば、別病院でのセカンドオピニオンを紹介してもらう、程度しかありません。現実から目をそらすような態度に見えたとしても、「ワラをも掴む」思いであがいていました。
セカンドオピニオン
よりよい決断をするために、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に求める「意見」、または「意見を求める行為」のこと。
セカンドオピニオンで紹介してもらう施設候補として、築地の国立がん研究センター(1962年)、有明の公益財団法人がん研究会(1908年)を検討します。国の研究機関として、統一的見解を示す立場にあるのは国立がん研究センターですが、ホームページの説明はがん研究会の方がわかりやすい印象があります。われわれとしては、専門知識を持たない者でも理解できる説明を評価するしかありません。
セカンドオピニオンの紹介依頼に対し、東大病院の先生は嫌な顔を見せることなく、淡々と紹介状の準備をしてくれます。このやり取りについては、実際の経験談の感触として、いたって平穏に話が運んだこと、何の不安・心配もいらなかったことを、お伝えしておきます。
国の方針である、がんの標準治療化による施設間・地域間格差の是正に向けては、セカンドオピニオンによる問題点の洗い出し(医師の腕に頼らない治療)や、共通化しにくい要望(オーダーメイドケア)の受け皿のような、課題を共有する場が有効な手立てとなるかもしれません。専門医の指針を、患者が判断できるレベルに落とし込むことは、医師の目指すところでしょうし、「患者との納得の共有」は、大きな目標ではないかと。
がんの標準治療
科学的な根拠に基づき、現在利用できる最良の治療であることが証明されている治療のことで、「3大治療」と呼ばれる手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療を指します。「最先端の治療」は、臨床試験などを経て、それまでの標準治療よりも優れていることがわかった時点で、専門医らによって「標準治療」と位置づけられることになります。
恩に背を向けるようで、心情的に遠慮しがちな制度ではありますが、自分のように逃げ場を求める患者にとっては、「ワラになってくれる?」制度かもしれません……
右:東大病院施設(2013年)。
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