2021年9月8日水曜日

病院間連携の実感

2021年5月13日

 初診時の検査では、病状の把握、治療方針の決定、スケジュール調整 等を速やかに進めるため、スピード重視の「仮押さえ」的な手続きが用いられます。順序を配慮の上、可能な限り短期間での検査を目指す、時間との戦いでもあるため、前日に有明病院で入院治療の依頼をしたのに、この日は東大病院で検査(PET検査)の続きだったりと、いささか不義理な状況が生じたりもします。
 そんな状況下でも準備の継続が可能なのは、セカンドオピニオンと同様に病院間連携のおかげと言えますし、ひとつの目的のために、複数医療機関の横断的な活用が可能で、その体制が維持されていることは、評価に値する医療水準であると。
 その実現のためには、診断に用いられる一連の検査(内視鏡、MRI検査、CT検査 等)に統一の基準が必要となり、どの病院でも診断利用のためには、同じクオリティ(精細さや走査線密度? 等)が求められることになります。東大病院の内視鏡結果や、八重洲の病院のMRI検査結果には、有明病院の診断でも利用可能なクオリティが担保されていることになります。
 医療提供体制に対しては、がんの標準治療(施設間、地域間格差の是正を目指す国の方針)に限らず、全国どこでも同レベルの治療が受けられることが望ましいと、かなりハードルの高い理想を、われわれ患者は当たり前のように求めています(実現できたら、本当にスゴイこと……)。

PET検査
がん細胞は正常な細胞と比べ3~8倍のブドウ糖を取り込む性質があります。その性質を活かし、PET検査ではブドウ糖によく似た構造のFDG(フルオロデオキシグルコース)という薬剤を注射した後、全身を撮影しFDGの集まりを画像化します。全身にがんを疑う臓器がないかを調べます。


5月18日
 翌週東大病院にて、PET検査結果(問題なし)と有明病院での治療について話をします。
 セカンドオピニオンの紹介状に、有明の先生による「有明での治療希望」の記述があったおかげで、何の問題もなくスムーズに東大病院での診察を終えることができました。加えて東大の先生から、「頑張ってください」の励ましをいただき、理想とされる病院間の連携が、有効に機能していることを実感します。
 東大病院の皆様、ありがとうございました。

 右:安田講堂(2009年)。

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