2021年10月1日金曜日

大きな手術

2021年6月1日 手術日

 「手術は10時間程度」と耳にし、内訳は様々な作業の積み重ねであるとしても、集中力を10時間持続できるのだろうか? と。周囲が「大きな手術」と表現するように、頸の腫瘍を切除し、腹部から小腸を移植する再建手術は、大がかりな手術とされます。当人は寝てるだけですが、先生方の体力を考えると、これ以上長時間の手術は困難ではないか、とも。

 手術前の手術台で耳にした最後の言葉は、麻酔科医の「この歯はグラグラ動くから気をつけて……」で、目覚めた最初の記憶は、ICU(集中治療室:Intensive Care Unit)に運ばれテレビ電話で妹と話したものです。手術前後の境界がくっきり残っている印象から、麻酔科医の仕事は狙い通りだったのではないかと(実際は8時間程度で終了したらしい)。

下咽頭がん手術
  進行した下咽頭がんで喉頭(こうとう:のどぼとけ)に近接している場合は、喉頭も含めて切除することがあります(発声機能を失う)。その場合、遊離皮弁(ゆうりひべん)として小腸の一部を採取して移植、呼吸のための気管の穴を首に作ります。
 腫瘍切除により損なわれる機能を、組織や臓器の移植により再建する手術で、移植する組織や臓器を「皮弁」、血管を一度切り離して移動後に血管吻合する方法を「遊離皮弁」という

 事前に説明を受けた「声を失うこと」「胸元に気管孔(穴)ができること」「へそ周辺に移植後の縫合跡が残ること」は、理解のとおりでしたが、その周辺がどんな様子なのか、どこが痛むのか、麻酔なのか、しびれなのか、失われた機能・残された機能は 等々、自分の体ながらよくわかりません。どうも変化を前向きに受け止められないらしく、探ろうともせずに、誘われるまま眠りの中へ……

 右:ゆりかもめ軌道と東京ビッグサイト(病院の廊下より)。

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