2021年10月8日金曜日

ICUへの覚悟

2021年6月1日〜6日 ICUの5日間

 全身麻酔による外科手術後、合併症(手術が原因で発症する病気)の危険性から「高度な状態管理が必要な患者」とされ、24時間モニタリングが可能なICU(Intensive Care Unit:集中治療室)に収容されます。ICUは、「集中治療のために濃密な診療体制とモニタリング用機器、ならびに生命維持装置などの高度の診療機器を整備した診療単位」とされる、重篤な患者を収容する施設ですから、「術後はICUへ」の説明を受け、厳しい状況への覚悟を持つことに。正直ビビりましたが、きっぱりと言い渡されたおかげで、こちらもサバサバと受け入れることができました。
  麻酔から目覚め、まずはICUにいる自分の状況を理解・受け入れると、早期の危険回避を目指すために、全体力を早期回復に注ごうとします。ですが順調な経過により、厳しい状況の回避に見通しがつくと、安堵により緊張感が緩むため、診療機器が条件反射的にくり返す警告音や、連日黙々とくり返される検査に、ストレスを覚えるようになります(体力回復のためゆっくり寝たい)。集中治療のためには、高度な設備に加え、そこに挑む心構えや体力が重要で、かなり消耗した印象があります。
 患者が手術室からICUに運ばれる際には、手術に携わった医師や看護師が付き添い、しばらく容体の安定を見届けています。大きな手術だったり、引き継ぎ 等がある場合は、医師や看護師がゾロゾロとICUに流れ込み、休憩スペースで歓談する様子には、ICUとは思えない騒がしさ(反省会?)があったりします。また、この場で問題が発覚し、「縫合します」と処置が始まることもあったりと、手術室とICUの関係は濃密で、補完し合う役割を持つ施設なのかもしれません。
 身動きが取れない患者のために、各ベッドには小さなTVが常備されていて、オープンなベッド環境でサッカー日本代表戦を見ていると、関心を持つ看護師が「点が入ったら教えて」とサボりに来たりします。部外者には、緊張感で常に空気が張り詰めている、特別な場所のイメージがありますが、そこで活動するのは人間ですから、結構人間臭(らしさ)に満ちた場所かもしれません。


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