2021年6月13日
合併症の危機を脱しICUから一般病棟に移ると、今度は強烈なめまいで動けなくなる症状に襲われます。目の開閉に関わらず、まぶたに焼き付いた虹彩の影が残像のように見え続け、血圧は赤ちゃんレベルまで下がります。数日後には、X線撮影台の上で身動き取れなくなり、ストレッチャーで病室まで運んでもらうことに(ストレッチャーから眺める天井の絵は、TVドラマ『ベン・ケーシー』のオープニング(リンク先Youtube)のよう←感心してる場合じゃない!)。その件は瞬く間に病棟中に知れ渡り、「要注意患者」のレッテルが貼られる事に。
薬の効果が過剰に表れるため、投薬はすぐに中止されましたが、退院後も改善は見られず、現在も不安を抱えたままです。「首周辺には、重要な神経が集中しているから…」は、説明放棄に聞こえてきますし、効果的な対処法も示されないので、「動き出しをゆっくりと」等を心がけるしかないのか……
胃に栄養を送るチューブが外され、形ある食べ物を口にできるようになり、味を楽しむ「食の喜び」を取り戻すと、気持ちが明るく前向きになることが実感できます。まだ柔らかいものだけですが、生きる原動力である「食欲」への希望が膨らめば、回復は早そうに思えてきます。
とはいえ、喉頭(こうとう:のどぼとけ)を失った者には、「麺類を吸い上げられない」「息を吹きかけられない」「ゴクッと液体を飲み込めない」「息を止めて力めない」「鼻をかめない」「大きなモノを飲み込めない」等々の制約が立ちはだかります。まずは、喉頭のない状態や、再建した新しい食道に慣れる必要があります。慌てずゆっくり食べるつもりでも、イライラして噛まずに飲んでしまったりと、制御できない体との付き合い方には、結構ムズムズするものがあります……
右:ゆりかもめ車両(2012年)。
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